科学未来タイムズ

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第十回 チョコレートで頭が良くなる!?

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 皆さんは「頭がよくなりたい」と思ったことがないだろうか。大事な試験の最中や、買い物中何を買うか忘れたとき、はたまた、ブログに書く内容が思いつかない時、誰しももっと頭が良かったら、、、と思ったことがあるだろう。「全知全能になりたい。」「この世の心理を知りたい。」「そんな頑張らないでノーベル賞をとりたい。」そんなことしか頭にない読者の皆さんに朗報だ。“食べるだけで頭がよくなる”と実証された食べ物がある。それが「チョコレート」だ。

 45~68歳の成人男女30人に、高カカオチョコレートを4週間摂取してもらい、その前後の脳を「大脳皮質の量」(GM-BHQ)「神経線維」(FA-BHQ)という二つの観点から評価する実験を行ったところ、摂取前に比べて摂取後の方が有意にGM-BHQの値が増加した。このことから、高カカオのチョコレートは、知覚、思考、推理、記憶などを司る大脳皮質を増やす効果があるという結果が得られた。

 また、高カカオチョコレートの摂取が、脳の栄養とも呼ばれているBDNF(Brain-deriverd neurotrophic factor)を増やす可能性も見つかっている。BNDFは神経細胞の発生や成長、維持や再生を促してくれ、脳の海馬に多く含まれている。あるマウスを使った実験では、BNDFを半分に減らしたマウスの学習能力が低下した。このことから、BNDFと記憶、学習には密接な関係があり、チョコレートを食べBNDFを増加させることで認知機能を促進が期待されている。

 ここまでチョコレートが脳の機能を高めることを長々と書いてきたが、実はチョコレートのすごさはこれだけではない。

 チョコレートによって得られる恩恵は、「認知機能の向上」のほかに「便秘改善」「動脈硬化の抑制」「血圧低下」「アンチエイジング」「アレルギー症状の抑制」…と山ほどある。まさしく、「スーパー健康食品」なのだ。また、チョコレートを食べる人は寿命が延びる可能性まである。世界の長寿者の中にはチョコレートを頻繁に食べる人が多く、122歳まで生きた長寿世界一のジャンヌ=カルマンさんは大のチョコ好きで一週間に900グラムのチョコレートを食べていたという。

 チョコレートは食べると賢くなり、寿命も延びる。ここまで良いことづくしだと、何か大きな副作用があるのでは?と疑ってしまう。そして残念ながら副作用は存在する。肥満だ。チョコレートは言うなれば糖分と脂質の塊、頭がよくなるからと食べ過ぎると肥満になってしまう。欲深いものにはカカオからの天罰が下るということだ。

肥満と全知全能、あなたならどちらを選びますか?

 

著:嶋貫

 

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  • 発売日: 2018/10/02
  • メディア: 食品&飲料